【2015年(平成27年)労働者派遣法改正②】派遣労働者個人単位の期間制限とは
平成27年の派遣法改正により、すべての業務の労働者派遣について一律の期間制限がかかるようになりました。
その期間制限とは、
①派遣先事業所単位の期間制限と②派遣労働者個人単位の期間制限です。
①については前回の記事でご説明しましたので、今回は②についてご説明していきたいと思います。
②派遣労働者個人単位の期間制限とは
同一の派遣労働者を、派遣先の事業所における同一の組織単位に対して派遣できる期間は、3年間に制限されます。
下の図で説明すると、庶務課一係で3年間働いてきた派遣のAさんを、引き続き庶務課で派遣として働かせ続けることはできない、ということです。
(課内の係が異なっても、3年を超えて派遣として働かせ続けることはできません。)
なお、Aさんを3年間派遣として受け入れていた庶務課において、Aさんに代わってBさんを引き続き派遣として受け入れることは可能です(※)。
組織単位を変更すれば、引き続き派遣受け入れ可能
派遣先の組織単位を変更すれば、引き続き同一の派遣労働者を、変更後の組織単位で3年を限度として派遣することができます。
上の図で説明すると、庶務課で3年間働いてきた派遣のAさんについて、派遣先を経営企画課に変更すれば、さらに3年間派遣で受け入れ続けられるということです(※)。
なお、派遣先が同一の派遣労働者を指名するなどの「特定目的行為」は派遣法で禁止されているので、Aさんを別の課で引き続き派遣として受け入れたい場合であっても、派遣先の側からAさんを指名するということは避けなければなりません。
同一の組織単位内での業務変更については、派遣期間は通算
3年の間に、派遣労働者の従事する業務が変わったとしても、同一の組織単位内での業務変更である場合には、派遣期間は通算されます。
たとえば、派遣のAさんが庶務課一係で2年間働いた後、庶務課二係で働くことになった場合には、Aさんが庶務課二係にいられるのは1年間(3年間-庶務課一係での2年間)に限られます。
※前回の記事でご説明したとおり、同一の事業所で3年を超えて派遣を受け入れたい場合には、①事業所単位の期間制限による派遣可能期間を延長するための手続き(過半数労働組合等からの意見聴取)が別途必要になりますのでご注意ください。