弁護士 川久保 皆実 オフィシャルサイト

【テレワーク・在宅勤務の労務管理①】雇用型と自営型、どちらに当たる?

テレワークとは、「情報通信技術(ICT)を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」のことをいい、契約形態に応じて①事業主と雇用関係にある場合(雇用型)②請負契約や準委任契約等に基づき自営的に働く場合(自営型)の2種類に大別されます。

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①雇用型のテレワークの場合には、労働基準法・労働契約法・最低賃金法・労働安全衛生法・労働者災害補償保険法等の労働関連法令が適用され、適切な労務管理が必要となります。


634583.jpg在宅で仕事をしてもらう場合には、雇用契約書ではなく、業務委託契約書を取り交わすようにしています。
この場合は、②自営型に当たるとして、労働関連法令は適用されないのでしょうか?


810_8864_small2.jpg業務委託契約書を取り交わした相手方が、「自分は実際には労働者として雇用されている」として裁判を起こした場合、裁判所は契約書の文言だけにとらわれることなく、実質的にその方がどのような働き方をしていたのかを見ていくことになります。

具体的には、契約の形式(文言)にかかわらず、以下の要素を総合考慮し、使用従属関係にあると認められれば、実質的に雇用型に当たるとされ、労働基準法等の労働関連法令が適用されます。

≪主要な判断要素≫

①仕事の依頼への諾否の自由 諾否の自由がなければ使用従属関係にある方向に傾く
②業務遂行上の指揮監督 指揮監督があれば使用従属関係にある方向に傾く
③時間的・場所的拘束性      拘束性が高ければ使用従属関係にある方向に傾く
④代替性 代替性が低ければ使用従属関係にある方向に傾く
⑤報酬の算定・支払方法 報酬が時間比例で決まる場合は使用従属関係にある方向に傾く

≪補足的な判断要素≫

⑥機械・器具の負担、報酬の額等に現れた事業者性 機械・器具を会社側で用意したり、他の従業員と比べて報酬額にあまり差がない場合には、使用従属関係にある方向に傾く
⑦専属性 専属性が高ければ使用従属関係にある方向に傾く

上記の要素に照らして、実質的に①雇用型と②自営型のどちらに当たるのかをご判断いただき、①雇用型に当たる場合には、労働関係法令に基づき適切な労務管理を行なう必要があります。