弁護士 川久保 皆実 オフィシャルサイト

【2015年(平成27年)労働者派遣法改正⑤】クーリング期間とは

これまで改正派遣法の期間制限のお話をしてきました。

ちょっと悪知恵の効く方であれば、「それじゃあ、3年以内に一旦派遣契約を終了させて、すぐに派遣契約を締結しなおせば良いんじゃないの?」と思うかもしれません。

しかし、残念ながら、改正派遣法には「クーリング期間」という制度が設けられているため、上記の方法で期間制限を免れることはできません。

「クーリング期間」とは、期間制限の対象となる労働者派遣の期間を断絶させたいのであれば、派遣契約終了から再度派遣契約を締結するまでに3か月を超える期間(クーリング期間)を置いてくださいね、というものです。

クーリング期間を置かずに(派遣契約を終了させてから3か月以内に)派遣契約を締結しなおした場合には、その労働者派遣は継続しているものとみなされてしまいます。

≪事業所単位の期間制限とクーリング期間≫ 派遣先の事業所ごとの業務について、労働者派遣の終了後に再び派遣する場合、 派遣終了と次の派遣開始の間の期間が3か月を超えないときは、労働者派遣は継続しているものとみなされます。

≪個人単位の期間制限とクーリング期間≫
派遣先の事業所における同一の組織単位ごとの業務について、労働者派遣の終了後に同一の派遣労働者を再び派遣する場合、派遣終了と次の派遣開始の間の期間が3か月を超えないときは、労働者派遣は継続しているものとみなされます。